📝要約
「多読って、なんか楽しそうだけど全然続かない…」「結局、読めるようになる気がしない…」って人、多いと思う。
でも、そんなあなたにこそ伝えたい、ちょっと変わった多読法がある。それが、ぼくが実践している「かぎかっこ音読つき多読」。日本語で一度読んだ小説を、外国語で周回していくっていうシンプルなやり方なんだけど、じわじわと読解力が育つ感覚がある。そして、途中から会話文を音読するようになると、面白さと記憶の定着率がぐっと上がる!という話を、僕の実体験込みでお届けします。
📚目次
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僕流・多読ってこんな感じ
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どこが普通の多読と違うの?
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はじめは読めない。でも読む
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「かぎかっこ」が救ってくれた
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セリフ音読がなぜ効くのか
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実際にやってる本と語学別アプローチ
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多読の前にやっておくと楽になること
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まとめ:語学に必要なのは「感情のノリ」かもしれない
1. 僕流・多読ってこんな感じ
「多読」っていうと、「レベル別リーダーで語数を積んで…」みたいな、ちょっと修行っぽいやり方を想像するかもしれないけど、僕のはかなりシンプル。
好きな小説を、日本語でまず読んで、そのあと外国語でひたすら読みまわす。それだけ。
読みまわすっていうのは、つまり何周も読むってこと。
わからなくても、止まらない。むしろ、わからないところを、何周もかけて少しずつ「なじませていく」って感じ。成長してる感じがちゃんと実感できるから、わりと飽きずに続けられるんだよね。
2. どこが普通の多読と違うの?
「多読」って言葉でググると、「知らない単語は調べない!飛ばせ!」とか「1ページ30秒でいいから読め!」とか、いろんなアドバイスがあるけど、
僕はそこまでストイックじゃない。むしろ、ストーリーを楽しみながら、自然に語学力がついていけばOKって思ってる。
だから、日本語で先に読むのがポイント。内容を知ってるからこそ、外国語で読んでもついていける。ちょっとした「あ、これあの場面か」っていう発見が、毎回うれしい。
あと、何周も同じ本を読むから、「語彙の再登場」によって、知らない単語もだんだん仲良くなってくる。
3. はじめは読めない。でも読む
ぶっちゃけ、最初は読めない。全然おもしろくない。
だって知らない単語ばっかりだし、文の構造もよくわからないし、「誰が何してる話だっけ…?」ってなる。
でも、日本語で一回読んであるから、なんとなく「こういう場面っぽい」って想像できるし、「このセリフ前にも見たな」っていう安心感がある。
しかも、同じ本を繰り返すことで、「わからないなりに慣れてくる」という不思議な現象が起きる。これがちょっと快感で、「もう一周しとくか…」ってなるのよね。
4. 「かぎかっこ」が救ってくれた
そんな中で、僕を助けてくれたのが「かぎかっこ=セリフ」だった。
これがね、簡単なの。文法も単語も。たいてい短いし、感情が入ってるから、わかりやすい。
そして何より、読みやすいし、気持ちが乗る。
思い返すと、中学生の頃に『十二国記』(小野不由美)にハマってたときも、難しい漢字や文語体に苦しみながら、セリフだけはサクサク読んでたな〜って記憶がある。
多分、あのときも「全部理解」はしてなかったんだよ。でも、「セリフ読んでるだけで話が進んだ気になってた」んだよね。
5. セリフ音読がなぜ効くのか
で、ここからがポイントなんだけど、
セリフは、声に出して読むとめちゃくちゃ楽しくなる。
最初は目で追ってるだけだったのが、2〜3周目くらいになると、自然に口が動き出す。
「これ、ちょっと言ってみたくなるな…」ってなる。で、言う。で、覚える。
たとえば『ハリー・ポッターと賢者の石』で、赤ちゃんのハリーをダンブルドア校長がダーズリー一家に預けようとすることに対して、マクゴナガル先生が怒ってる場面。ぼくが適当に訳すと、「ダンブルドア、だめです。わたくしは一日中観察していましたけれども、あんなに私達と違う人種は他にいません。」みたいな感じ。
“Dumbledore—You can’t. I’ve been watching them all day. You couldn’t find two people who are less like us.”
ここ、感情がこもってるから読みやすいし、単語も文法も、自然に身につく。canの使い方とか、have been + ~ing の時制感覚とか、couldn't の婉曲さとか、むしろ説明されるよりセリフの方がわかりやすい。
6. 幼少期の黒歴史とプリキュア効果
うちの子たちを見てると、言葉の覚え方って「まねっこ」が基本なんだよね。
プリキュアの決めゼリフとか、エルサの歌詞とか、オラフのモノマネとか。内容がわかってるかどうかより、テンポや言い回しが面白いかどうかのほうが大事みたい。
……そう考えると、僕の黒歴史も意味があったのかもしれない。
小学生のとき、ショムニの坪井千夏に憧れて、誰にも聞かれないようにセリフの練習してた。
もうちょっと前だと、クレヨンしんちゃん。
しんちゃんって、大人とタメ口で対等以上に渡り合ってて、なんか妙にかっこよく見えてたんだよな。
そんな感じで、「セリフのまねをする」って行為そのものが、語学的にはめちゃくちゃ正しい気がする。
7. 実際にやってる本と語学別アプローチ
今までに僕が実際にやってる(今もやってる)本を挙げてみると、
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ハリー・ポッター(英語・フランス語・中国語)
→ 多言語に訳されてるし、内容も知ってるし、読みやすいセリフが多い。 -
ドリアン・グレイの肖像(英語)
→ 難しいけど文体が美しい。何度も読むとじわじわ来る。 -
ハウルの動く城(フランス語・中国語(注・繁体字版))
→ キンドル版がなくて紙の本しかなかったのが大変だった。でも読む価値あり。
共通点は、「多言語に訳されてる名作中の名作」であること。
名作って、それだけ世界中の人が価値を認めてて、訳も安定してるし、調べたら情報もいっぱい出てくるから、学習者には最高の素材。ついでに、次の言語を勉強したいってときに、流用できるかもしれない、という期待もある。電子化されてるものも多い。
8. 多読の前にやっておくと楽になること
最後にちょっとだけ準備の話。
多読を始める前に、以下のことを「なんとなく」できるようにしておくと、格段に楽になる:
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基本単語1500~3000語:ガチ暗記じゃなくても、見たら「あー知ってる」くらいでOK
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基礎文法のなんとなーく理解:現在形・過去形・疑問文・否定文あたり
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読み方のざっくり把握:中国語ならピンイン、フランス語なら綴り字のルール、英語ならアクセント注意
中国語は特に、ピンインがわからないと詰む。
そのへんは、僕も『星の王子さま』のピンイン付き版で苦労しながら読んでるとこ。
9. まとめ:語学に必要なのは「感情のノリ」かもしれない
語学って、結局のところ「感情を乗せられるかどうか」だと思う。
なんとなくでもいい。わからなくてもいい。
何回も読むうちに、だんだん「聞きなじみ」「見慣れ感」が育っていく。
そして、セリフを音読することで、語学は急に「ただの勉強」から「ちょっと楽しい遊び」に変わる。
声に出して真似する。ちょっと照れくさいけど、意外と覚える。しかも、地味に楽しい。
そんな小さな積み重ねが、気づいたときには「読めてる」に変わってたりするから、不思議だよね。
というわけで、「かぎかっこ音読つき多読法」、おすすめです!
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