こっそり 外国語学習

外国語学習者の日記、雑記。

リスニングは「再構成力」だって話|読む書くが先でいい理由

目次

  1. リスニングが苦手な人、手を挙げて

  2. どうして聴くってだけでこんなに大変なの?

  3. そもそも、リスニングって何してる?

  4. 音声情報は、組み立て直すしかない

  5. 読む・書くができる人は、聞けるようにもなる?

  6. それでも聞いて慣れるは大事なの?

  7. 日常生活の中でリスニングを後回しにする知恵


1. リスニングが苦手な人、手を挙げて

リスニングって、ほんと、外国語学習の鬼門っていうか、最初の大きな壁だよね。
ぼくも最初はダントツで苦手だった。読むのも、書くのも、まだなんとかできる気がした。でも聞くのはもう全然無理。
だって、一回で終わりなんだよ?何度も読み返せるテキストと違って、聞き逃したらもう取り返しつかないみたいな、あの緊張感

しかも、文字でならなんとなくわかってた単語も、音で聞いたとたん「あれ、今のなに?」ってなるあの現象。あるよね?
耳からの情報って、まだ慣れてないとすごく扱いにくい。


2. どうして聴くってだけでこんなに大変なの?

そして、勉強方法もなんだか難しそうなのばっかり。
「10回聞いてみましょう」とか、「音声と一緒に読むといいよ(シャドーイング)」とか言われるんだけど、いや、その前に音源を準備するのが手間なの。

読むのとか書くのって、ノートとペンと静かな場所さえあればできるじゃん?なんなら僕なんか静かじゃなくてもいい。家族がテレビみて馬鹿笑いして、愛猫がノートの上に寝転がってくる中で受験勉強してたんだから、環境なんてなんだっていい。

でも聞くって、電気が要るの。
スマホとかパソコンとか、音が出るものが必須なの。それに、準備したら片付けなきゃいけないし、イヤホンだってポーチに入れて、取り出して、挿して、また戻して…って、正直ちょっとめんどい。

しかも、ぼくの場合は、家では妻と子どもの声、職場では電話の音、いつも耳が「待機中」なの
オーディブルとか流行ってるけど、「ながら耳」があんまり空いてないのよ、常に。


3. そもそも、リスニングって何してる?

で、あるとき気づいたんだよね。
リスニングって、結局「ききとった情報を、頭の中で再構成する力」なんじゃないかって。

たとえばさ、僕がオリジナルでリスニングの問題(日本語。ぼく、ブログの中になるべく外国語入れたくないんだ。疲れるから・・・)つくってみたんだけど。

「ぼくは今日、郵便局に行って、祖母に手紙を出したんだ。ついでに、そのへんにあるチラシを手にとってみたら、おいしそうな梅干しの通販があってさ。ぼくはいつも『幻の梅』ってやつをスーパーで買ってるんだけど、ちょっとこういう特別な梅干しも食べてみたいなって思ったから、持って帰ってきたんだ。今度、ちょっと頼んでみようかな。やっぱりおにぎりは梅干しだよね」。

で、こういう質問がついてくるわけ。

  • 問題1:ぼくは今日どこに行ったか?

  • 問題2:「幻の梅」を注文しようとしている ◯かバツか?

  • 問題3:祖母に梅干しを贈るつもりである ◯かバツか?

みたいなね。

日本語なら楽勝でしょ?でもこれが英語音声だったら?たぶん、必死に全部の単語を「正確に」聞き取ろうとして、逆に何も頭に残らないパターン、多いと思う。


4. 音声情報は、組み立て直すしかない

でもさ、母語だったら、ちょっとくらい聞き逃しても「ああ、あの感じね」って補って理解してるよね。
「手紙出して、梅干しのチラシ持って帰った」って聞けば、「たぶん郵便局行ったんだな」と予測できる。

この「補って再構成する」っていう能力が、リスニングの本体なんじゃないかなって思ってる。
全部聞き取るんじゃなくて、拾った単語を材料にして、頭の中で文を作り直してるんだよね、無意識で。


5. 読む・書くができる人は、聞けるようにもなる?

ここからが今日の本題なんだけど、リスニングって、実は読む力と書く力がある程度伸びてくると、一緒に伸びてくる気がするんだよね。

なんでかっていうと、読む・書くを通して、文章構造のパターンが頭に入ってくるから。
そのパターンがあるから、多少聞き逃しても「それっぽい文」に組み立て直すことができる

つまり、「郵便局・祖母・手紙・今日」っていう4単語があれば、「ぼくは今日、祖母に手紙を出しに郵便局へ行った」っていう文が作れる。
それが「聞き取った風」に感じるってわけ。

これ、ほんとに大事。


6. それでも聞いて慣れるは大事なの?

「音に慣れるのは大事」って話もあるんだけど、ぼくは「慣れるだけなら1ヶ月で十分」じゃないかな、と思ってる。
特に最初のうちは、どんな音のクセがあるか掴むだけでいいと思ってる。

ちかくにもいるでしょ、探せば。日本語が独特な人。それでも、その人の言葉ばっかり全部の単語をききなおす必要、ないでしょ?
だからさ、そういう、音のクセに慣れちゃえば、あとは拾った単語をもとに、意味を組み立てる能力のほうが大事になってくるんじゃないかな、と思うんだよね。


7. 日常生活の中でリスニングを後回しにする知恵

もちろん、シャドーイングが好きで楽しく続けられるなら、それはそれで素敵。
でも、ぼくみたいに子育て・仕事・家事で耳があんまり空いてない場合は、リスニング後回しでも全然OKだと思う。

読む・書くなら、スマホ片手にいつでもできるし、子どもが「ママ〜!」って呼んでもすぐ中断できる(ママと呼ぶからってパパは無視してはいけない)。
イヤホンしてたら、呼ばれても気づかないし、片付けもめんどう。そして1歳児は油断するとイヤホンを口にいれる

だから、今のぼくにとっては、「リスニングは再構成力」「読む・書くの力で聞けるようになる」っていう考え方が、合理的でありがたい。
きっと、同じようなライフスタイルの人にも、参考になるんじゃないかな。


結論:リスニングは「音を正確に聞く」んじゃなくて、「意味を組み立てる」練習

つまり、リスニングって「耳の訓練」というより、「頭の中の作文力」の話だと思うってこと。
読む・書くを先にやっても、ちゃんと聞けるようになるよっていうのが、ぼくの実感。

そしてなにより、ぼくたちには、限られた時間と体力と、かわいい子どもたちとの時間がある。
それを犠牲にしてまでイヤホンつけっぱなしになる必要は、きっとない。