中高と演劇部だったから、演劇にはずっと親しみがあるんだよ。藤原竜也さんに憧れて、「身毒丸」のDVDをTSUTAYAで借りて何回も観たの。あの演技を観てから、演劇ってかっこいいなって思うようになった。そこから、寺山修司の作品にも興味を持つようになって。
高校の演劇部には、野田秀樹が好きな先輩がいた。その先輩たちが「赤鬼」で県大会まで行ったらしい。自分が入った年の文化祭では、「半神」をやったよ。言葉遊びが面白くて、高校生のぼくには予測不能すぎて、最高だった。
「赤鬼」は海外でも上演されてて、その映像を観る機会があったんだけど、イギリス版もタイ版も、それぞれ全然違ってた。それがすごく新鮮だったの。同じ台本なのに、演出や表現の仕方でこんなに変わるんだなって、ちょっと驚いたんだ。演劇って、正解がひとつじゃないんだなって思ったのを覚えてる。
その流れで、「演劇といえばイギリス」「イギリスといえばシェイクスピア」っていわれてるのを知ったの。藤原竜也がハムレットを演じるってなったときも、最高じゃんってなった。いつか本物を観てみたいなって思ったんだけど、田舎に住んでたから、舞台を観に行くなんて無理だったんだ。TSUTAYAにもハムレットのDVDは置いてなかったしね。
WOWOWに入ってたら放送を観られたかもしれないって知ったときもあったんだけど、WOWOWって有料チャンネルだったから、親に頼むのは無理だったんだよね。当時、うちではNHKのBSすらあんまり観てなかったから、「WOWOWってなんか特別な家庭だけが観るもの」みたいな感覚があったの。だから、自分の口から「WOWOW入りたい」なんて言えるわけなかったんだ。買えばよかったのかもしれないけど、リビングで親の前でシェイクスピアを観る勇気も出なかったし、結局そのままになったんだよ。
英語の戯曲で英語学習できたらいいなと思ったけど
英語の戯曲を使って、自然な英語を身につけられたらいいなって思った時期もあったの。セリフってリズムがあるし、言い回しもかっこいいから、普通の教科書より楽しく学べそうだなって思ったんだよね。
特に、英語のセリフって短くて歯切れが良かったり、同じフレーズを繰り返して印象付けたり、そういうところが魅力だったんだ。
でも、現実はなかなか難しかった。まず、日本で英語の戯曲を手に入れるのが結構大変だったの。大きな本屋さんに行かないと置いてないし、いまぼくは電子書籍派なんだけど、今でも電子化されてる戯曲で外国語でっていうと、欲しいものがなんでも手に入るっていう環境ではない気がする。
映像も同じだった。舞台映像を手に入れる手段がほとんどなくて、テレビ放送を録画し損ねたらもう観られない。舞台って生ものだから、基本的にそのときその場所にいないと体験できないんだなって、子どもながらに感じたのを覚えてる。だから「英語の舞台を観ながら英語を勉強する」っていうのは、理想ではあったけど、実現はしなかったんだよ。
一人暮らししてた頃なら、もうちょっと自由があったかもしれない。でも、結婚して子どもが生まれた今は、リビングのテレビを何時間も独占して「パパ、ハムレット観るから」っていうのは、さすがにできないんだよね。だから、「英語の戯曲で英語学習しよう」っていうアイデアは、いまも心の隅っこに置いたままなの。
舞台で英語に挑戦する人たちを見て思ったこと
情熱大陸で、米倉涼子さんがニューヨークでミュージカル「シカゴ」の主演をやるっていう特集をやってたことがあって、本当にかっこよかった。発音も堂々としてたし、何より舞台の空気に自然に溶け込んでた。ブロードウェイの俳優さんたちに混ざっても、全然違和感なかった。
「Five thousand dollars!?」って英語でセリフを言ったあと、日本語で「そんな大金どうやって用意しろっていうのよ」ってツッコミを入れて笑いを取るシーンがあったんだけど、あれは観ていてすごく嬉しくなった。何回も独り言で真似した。男だけど。ほんとはそうやって外国語覚えたいんだよな。
米倉さんの挑戦を観て、英語を使って舞台に立つって、本当にかっこいいことなんだなと思ったよ。語学力だけじゃなくて、覚悟とか、度胸とか、全部試される世界なんだろうなぁって。
ただ、舞台ものって、映像化されてもなかなか手に入らないんだよ。DVDが出たら欲しいなと思ったけど、多分出てないんだろうな。舞台だけじゃなくて、映画でもなかなか見つからない作品ってけっこうある。「ドリアン・グレイの肖像」とか、ハリウッド版の「ココ・シャネル」とか、探してもなかなか見つからなかったんだ。アマゾンプライムでもみれないんだもん。
シェイクスピアの英語は、今の英語とはちょっと違うから、いきなり原文で読むのはたぶん無理だろうなと思う。高校時代に「マクベス」をモデルにした劇をやったことはあるんだけど、それも現代日本語訳じゃないと全然わからなかったんだよ。
小栗旬が主演してた「カリギュラ」も観たかったな。あの頃、もう少し素直に演劇にハマってたら、いまごろシェイクスピアの原文で勉強してたかもしれない。かも。
まとめ
英語の戯曲で英語を勉強するのは、いまでもちょっと憧れがあるけど、現実にはハードルが高かった。本も映像も、手軽には手に入らないし、英語そのものも簡単じゃないんだよね。
それでも、舞台の世界に触れると、英語ってただの言葉以上のものだなって思う。表現とか、間の取り方とか、感情の乗せ方とか、全部含めて「英語を使う」ってことなんだなって思う。
もしやってる人がいたら、体験談とかしりたい。そういうブログとかないかな。