こっそり 外国語学習

外国語学習者の日記、雑記。

「何単語知ってたら外国語できるの?」に答えてみる。ぼくと語彙力の素朴な話

 

目次

  1. 「何語知ってれば話せるの?」という永遠の問い

  2. 3000語説と、犬かき英会話説

  3. 語彙数とジャンルの偏りについて

  4. 単語の増やし方いろいろ比べてみた

  5. 結論:語彙は多ければ多いほどいい。でも…


1. 「何語知ってれば話せるの?」という永遠の問い

「外国語できるようになりたい!」って思ったとき、まず出てくるのがこの素朴な疑問。

「いったい何語くらい知ってれば、会話できるようになるの?」

まあ、感覚的に「知ってる単語が多い=できる感ある」ってのは正しいんだけど、実際どのくらい?って思うよね。ぼくも最初はそうだった。

で、調べてみると意外とちゃんとした「目安」はあるらしくて。


2. 3000語説と、犬かき英会話説

まず、超有名な言語学者千野栄一先生の『外国語上達法』によれば、

自然言語では、ごく少数の、絶えず繰り返される語を中心に、3000語でほぼ90%が理解できるようになっている」

とのこと。おお、3000語。けっこう少ないじゃん!って思うけど、これたぶん「出現頻度」の話。よく使う単語だけで、実際の文章の大部分はカバーできる、ってことね。

次に、語学界の新たなスター、個人的に尊敬している(面識はない。ただの一読者として)秋山燿平さんの『純ジャパの僕が10ヵ国語を話せた 世界一シンプルな外国語勉強法』。

この人は、200単語・30表現で会話の基礎はどうにかなる、って言ってる。ていうか、これが最低限っていうのをしっかり固めて公開してくれたことがマジ尊い。しかもそれを「犬かき英会話」と呼んでるのが最高。たしかに、海外赴任が1か月後に決まっちゃった!って人には、このレベルでしのぐのが現実的だよね。

なので、ざっくり言うと、

  • 300語くらい → あいさつ&犬かきレベル

  • 3000語くらい → 一般会話がどうにかなるレベル

  • 5000~1万語 → 趣味・仕事・試験対策にも対応できるレベル

って感じかな。


3. 語彙数とジャンルの偏りについて

でね、語彙数の目安としては、英検とかTOEICの基準もあって、

  • 英検2級 → 約5000語

  • 準1級 → 約9000語

  • 1級 → 約15000語

って言われてる。だけど、ここに落とし穴がある。

語彙の「量」だけじゃなくて、「どのジャンルの語彙か」ってことがめっちゃ大事。

ぼくは英検1級を持ってるけど、TOEIC900点がすぐ取れるかっていうと…たぶん無理。だって、求められてる単語のタイプが違うんだもん。

たとえば、日本語ネイティブでも、法律文書とか専門書とか難しいでしょ? 文法はわかってても、語彙が入ってこないと意味わからんってやつ。法律用語、まじでわからん。呪文。あと、レベルが全然違うのに記念受験した大学の入試問題。あれも読めなかった。外国語よりわからん。とくに数学。

それと同じで、「何語知ってるか」よりも、「どの語を知ってるか」ってのがポイントになってくる。

だからさ、3000語・5000語・1万語…って語彙が増えると、カバーしてる世界が少しずつ広がっていく感じになるんだと思うんだよね。


4. 単語の増やし方いろいろ比べてみた

さて、語彙は増やせば増やすほどいいとして、じゃあどうやって増やすの?って話。

まずは王道の「単語帳」。これはまあ、安心安全なやつ。
市販のを使うか、自作するかってところで分かれるけど、ぼくは圧倒的市販派。書くのめんどくせぇって理由。

ただし、達人たちはだいたい自作派な気がする。理由は「市販のやつじゃ物足りないから」か、「自作するくらいの熱量がないと上達しない」って説。まあ、どっちもあるよね。

あと、個人的に共感するのが**「辞書クルージング」**。

日英同時通訳者・関谷英里子さんが『同時通訳者の頭の中』で紹介してたんだけど、
辞書を適当に開いて、その単語について調べてたら、また知らない単語が出てきて、また辞書引いて…っていう、辞書ループを休日の娯楽にするっていうやつ。至福の時間らしい。

いや〜、語学嫌いには地獄みたいな趣味だけど、語学好きにはめちゃわかる。


5. 結論:語彙は多ければ多いほどいい。でも…

ぼくが一番ゆるくて気に入ってるのは、「村上式シンプル英語勉強法」に出てくるやつ。

「1万語を、ただ毎日ながめていると、クラスメイトの顔を覚えるみたいに自然に覚える」

でもね、言われてみれば、クラスメイトの顔って、そんなに努力して覚えたわけじゃないのに、気づいたらわかってたじゃん?

わかんなかった?ぼくは全員覚えてはいなかったけど、「こいつは同じクラスのやつか、違うクラスのやつか、そもそも学年が違うか」くらいはわかってた気がする。コミュ強?まあな。

単語もあれと同じで、「あ、また見たわ」「この前も出てきたな〜」っていう積み重ねで、なんとな〜く定着していくんだと思う。

だからぼくは、「がんばって根性で覚える」より、「ゆる〜く、でも何度も出会う」派。なんとなく自然と覚えてたら、それがいちばん気楽で、続く。


おわりに:必要な語彙数は、目的と性格で決まる

というわけで、「何語知ってれば外国語ができるのか?」って話は、

  • 最低限は200語+30表現でなんとかなる

  • だいたい3000語あれば一般会話は問題ない

  • 5000語〜1万語で、だんだん守備範囲が広がっていく

っていう結論に。

ちなみに英単語1万5000語は、ネイティブの中学生並みらしいよ。どうりで洋書読むときのスピードが自分の中学時代と同じだよ。納得だね。

 

ってことは、そこそこ生意気だった小学生時代の僕よりは、いま英語で話せるのかもしれないな。小学生すごいな。外国語で生活してるようなもんかよ。偉いぞ!子どもたち!脱線したけどボキャビル(語彙増強)がんばろう。

 

蛇足だけど、ボキャビルって言い方、すごい体育会系感あっていいよね。